つばさ号で峠越え

東京⇔山形の往復記録です

1泊2日の老老介護

母親を介護タクシーに乗せてクリニックに連れて行き、診察と30日分薬の処方をしてもらった後、施設には戻らず、私が母親の車椅子を押して実家に行きました。
(クリニックから実家までは、車椅子を押しながら歩いて約5分で行けるので、雨や雪さえ降らなければ介護タクシーを手配する必要はありません)
施設には事前に外泊許可をもらっていたので、実家に泊まること自体は何も問題ないのですが、実家は築50年のオンボロ木造住宅なので、まったくバリアフリーではありません。
まず、車椅子を家の中に上げるようなスロープがないので、玄関で車椅子から母親のカラダをいったん上がりかまちに降ろし、車椅子を室内に上げて、あらためて母親のカラダを持ち上げて車椅子に乗せる、という作業をしなければなりません。
私も60歳を超えているので、若い時のような体力がなく、上がりかまちで座り込んでいる母親を持ち上げて車椅子に乗せるのは至難の業です。

車椅子のブレーキをかけ、床に座り込んでいる母親を正面から抱きかかえて、何とか起立させ(母親は右足首を複雑骨折してボルトで固定していますが、神経が通っていないのでうまく立てない)、無理くりお尻を浅く座席に乗せて、あとは母親自身で座席奥の方へお尻をズリズリしてもらいます。
なんとか車椅子に乗せても、廊下から和室に入る時には段差があり、母親の腕のチカラではこの段差を乗り越えることができません。)

なので、私が後ろから車椅子を押し上げて段差を乗り越えて和室に移動させる、という作業も発生します。


【台所(食卓)】 ⇔ 【和室(ベッド)】 ⇔ 【トイレ】
この3か所の移動のたびに、私が車椅子を押して段差を乗り越える、という作業をしなければならいので、1泊するだけでもかなり疲れます。
最新のバリアフリー住宅なら、母親の弱った腕のチカラでも自力で車椅子を移動させることができると思いますが、昔の段差だらけの住宅では無理ですね。
(私もいつか、車椅子でちょっとした段差も乗り越えられなくなるほど体力がなくなる日が来るんだろうか?)
たった1泊しただけでも、私は体力・気力ともなくなり、ぐったりしました。
介護施設のスタッフの方々は、こんなきつい仕事を毎日されているので、本当に頭が下がります。

1泊2日でも、"老老介護" は本当につらいです。